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Cat's moment
of truth

猫たちの「まなざし」は問いかける。

猫たちは、私たちが忘れてしまう風景を

「まなざす」

瞳の中にやわらかな物語を吸い込んでいく。

猫の眼差しの物語は、冬空を切り裂く風音に、

都会の片隅から冒険に向かう猫の聞こえぬ足跡だったり、

たわいもない神社でじっと遠くの夕日の陽色に

ひとりじゃれる猫のあくびだったり

重なるように母猫にもぐりこもうとする

何匹の子猫たちの記憶だったりする。

<まなざし/まなざされる>

決して媚びない猫の歩み。

まなざしを探り合うように交わし合う。

ふと突然、わかりあうかのように気持ちが一瞬に解かれ、

近寄る猫をそっと抱き上げ、撫でたことはないだろうか。

なぜか、そのまなざしに、苦しみがひもとかれ、

心のひだが交わる瞬間に

遠く忘れ去られた景色からそれぞれの懐かしい

一人ひとりの小さな物語が動き出す。

生き続けることへの瞬間、
生命への鼓動

PHOTO EXHIBITION
写真展

開催場所共同通信社 本社ビル・汐留メディアタワー3F ギャラリーウオーク
住 所東京都港区東新橋1-7-1
開催日2023年5月1日~6月30日
第一期5月1日~5月31日
第二期6月1日~6月30日
時 間平日9時~19時
土日祝10時~18時
・開催期間中無休
※5月1日、6月1日は11時から~6月30日は15時まで
費 用無料

PROFILE
プロフィール

写真家/保護猫写真家 吉川慎太郎

人に限らず、命あるものから湧き出るメッセージを届ける写真家。

一瞬が魅せる真実の瞬間を残すことを命題にしている。

インスタグラムで猫写真を投稿

@shintarrow_cat

work LP

MESSAGE
メッセージ

これらの写真は私が保護猫活動に関わり、見えてきたことや考えたことからの問題提起です。私は漠然と今日の人間世界が急速に拡張し、動物たちはペットのように人間の活動に近しい動物は繁殖し、野生の原種動物は消滅の瀬戸際にあると思っていました。ところが、ある獣医さんからペットの猫の多くがアレルギーに苦しんでいるという話を聞き、人間と動物はどのような関わりが望ましいのかを考えるようになりました。「動物の解放」と言われていますが、様々な動物がそれぞれに生きる世界をもち、異なる「環世界」に生きていく中で人間の世界だけが膨張していく。子猫の殺処分、猫のアレルギー罹患、猫の去勢、何かしらそれらは人間世界の都合だけでどんどん動物たち環世界が排除され、そこで動物は生きていくことになっているのかもしれません。動物の苦しみばかりを強調して保護を訴えるわけではありません。ただ、猫好きの私は身近な猫を撮っているうちに、猫たちのまなざしの中に猫と人間とに共通する「命の感性」を感じています。都会の片隅、神社仏閣の小さな自然、家々の間の狭い路地、どんな場でも生き続ける猫たちの「まなざし」には喜び、悲しみを静かに見守り、命に添い続けるような感覚が宿っている気がします。人間に媚びることもなく人間を癒し、私たち人間と距離をとりながらも離れない猫たちの「まなざし」に簡単に解決できない人間と動物の共に生きる関係性を考え続けていかなければならないと思うようになりました。だからこそ、今回の写真では命の感性を猫の「まなざし」から捉えたいと思いました。「命の感性」は、喜び、癒し、躍動、生き続けたいという自らの命への関心であり、人間/動物の区別なくどの存在も持っている気がします。猫たちのまなざしは、自らの命や存在が強い「命の感性」を放ちながら、生き続けることへの瞬間瞬間を人間に問いかけています。猫たちの「命の感性」からの問いを感じてもらえれば幸いです。